十兵衛両断
- 作者: 荒山徹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06
- メディア: 単行本
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で、読了。
以下、ちとネタバレ絡みのネタというか感想。
のっけから、魂を入れ替える秘術ノッカラノウムが炸裂したりするという飛ばしているお話でネタ的にもたまらないわけですが、この作品の登場人物は暇さえあれば刀を抜いて斬り合っていたり、怪しげな妖術を使っていたりするので油断できません。
で、影武者徳川家康では、秀忠と天下無双のうっかり腹黒コンビを演じていた宗矩ですが、この作品でも凄まじい腹黒うっかりパワーを発揮しております。というか、この宗矩=腹黒ってのは何処から生まれたイメージなんですかね?
そんな宗矩の扱いが一番面白かったのが「陰陽師・坂崎出羽守」。クローン人間を作れる陰陽師、坂崎出羽守が将軍やら千姫やら宗矩やらのクローンを作ってあんなことやこんなことをしてやろうと暗躍するお話なのですが、ここで登場する宗矩クローンが強い強い。柳生新陰流の剣客たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げの大暴れ。でもクライマックスで現れる柳生友影*1はそんな宗矩クローンの首を2人まとめてあっさりはねとばしてしまうわけで、もう最高。近くで無力化され転がされていた本物宗矩が顔面蒼白になってるのがもうたまりません。
他のお話でもなんだか宗矩は他の柳生の強さバロメータ*2になっているような気がしていて涙を禁じ得ません。(つД`)
まぁ、ともあれ、最初から最後までネタと流血と怪しげ妖術に充ち満ちた面白い作品でした。