シナリオ「足跡」/オープニングフェイズ

●トーキー:予感

登場:他のPCは登場不可
◆解説
同僚のルフェッドに呼び出されデータディスクを託されるシーン。
◆描写

アサクサのアンモニア・アベニューにあるマリア・ラグーンの個室。
あなたは同僚のルフェッド・ウィンターに呼ばれたここにやってきた。
彼はあなたに1枚のデータディスクを渡した。

◆セリフ

▼ルフェッド・ウィンター
「すまないな。急に呼び出したりして」
「実はコイツを預かってもらいたいんだ」
「今、追いかけているネタのバックアップなんだが、ちと物騒なものでな。家に置いておくと娘の目に触れるかもしれんのだ」
「最近はなんとかいう探偵の助手を始めたとか言っていてなぁ。目敏くてかなわん。……いったい、誰に似たのやら(嘆息)」
「と、すまない。話がそれたな」
「記事があがったらおごるんで、頼まれてくれないか」

(記事について聞かれたら)
「ちょっとした企業のネタだ」
「どうしても知りたいなら、それを見てもかまわんぞ。パスワードがわかれば、だがな」

(話が終わった)
「トーキー……いや、なんでもない。じゃあ、頼んだぞ」

◆結末
ルフェッドが退室し、トーキーとのやりとりが終わったところでシーンは終了する。


●フェイト:身近な依頼人

登場:他のPCは登場不可
◆解説
父親を殺害されたカプリスがフェイトに依頼をするシーン。
◆描写

その日は朝から雨が降り続いていた。
いつも早朝からやってくるカプリス・ウィンターはまだやってこない。
彼女は新星帝都大学の学生で探偵志願だと言って数ヶ月前に押しかけてきた。今では目敏いところがあるため、簡単な仕事の手伝いをしてもらっている。
結局、カプリスがやってきたのは昼頃になってからだった。
いつもは明るく快活な笑顔が暗く沈んでいた。

◆セリフ

▼カプリス・ウィンター
「……すみません。ブラックハウンドに行っていたので遅くなってしまいました」
「父が殺されたそうです」
「でも、ブラックハウンドに問い合わせてみても父は事故死したの一点張りで何も教えてくれません。司法解剖をしているわけでもないのに、父の遺体にも会わせてもらえません」
「お父さんがなんで殺されなければならなかったのか……せめて、それだけでも知りたいんです」
「おねがいします、フェイトさん!」
「これしか報酬がないんですけれど、わたしも手伝います! だから……」

◆結末
カプリスはシルバー(報酬点3)をフェイトに渡そうとする。フェイトが返事をしたところでシーンは終了する。


●カブトワリ:スケープゴート

登場:イヌは登場可能。<社会:N◎VA>10
◆解説
カブトワリが捕縛されるシーン。ここでグレッグ・ケストナーの《制裁》が使用される。
◆描写

ホワイトエリア・中央区オフィス街。
依頼人との待ち合わせに指定されたホテルの一室にあなたはいた。
窓からは眼下に広がるオフィス街を一望できる。
やがて、指定された時間になった。
(サッシャの《とどめの一撃》が使用される)
と、同時に窓の外でかすかに銃声が鳴り響いた。
窓から下を見ると血の池に沈んだ1人の死体が転がっていた。
そして、更に銃声が聞こえた。
次に打ち抜かれたのはあなたのいる部屋の窓ガラスだった。

あなたのK−TAIに誰かのコールが入っている。商売敵のカブトワリ、サッシャからだ。
「悪く思うなよ、カブトワリ」
メッセージが切れると同時に制服の一団が雪崩れ込んできた。ブラックハウンドだ。

◆セリフ

▼グレッグ・ケストナー
「カブトワリだな。千早重工社員エドワード・ルクセン殺害の容疑で逮捕する(《制裁》を使用する)」
「言い訳は後で聞いてやる」
「連れて行け」

◆結末
ブラックハウンドに拘束され、連行されたところでシーンは終了となる。


●イヌ:休日の始まり

登場:カブトワリは登場不可。<社会:N◎VA>10
◆解説
千早冴子に呼び出され、特別捜査課の調査を依頼されるシーン。
◆描写

ある日の午後、あなたは機動捜査課課長である千早冴子に呼び出され、カフェに来ていた。
あなたが注文をすませ、頼まれたものがやってくると彼女は用件を切り出した。

◆セリフ

▼千早冴子
「昨日起きたエドワード・ルクセン殺害事件についてなのですが」
「あなたも知ってのとおり、本来ならばあの事件は機動捜査課の管轄なのですが、今回は特別捜査課が担当になるそうです」
「現在のところ、事件の調書の閲覧すら許されない状態です」
「一週間前のルフェッド・ウィンターの件も特別捜査課にまわされてしまったのですが、事故として処理されてしまったようです」
「……妙だとは思いませんか?」
「ところでイヌ。休暇は欲しくないですか?」
「前回の危険手当を振り込んでおきますので、ゆっくりと羽を伸ばしてください」
「それでは、よろしくお願いします」

◆結末
千早冴子が報酬点3をあたえたところでシーンを終了する。


●ニューロ:

登場:<社会:N◎VA><社会:ウェブ>10
◆解説
千早雅之から依頼を受け取るシーン。
◆描写

あなたのもとに一通のメールが届けられた。
差出人はお得意になりつつある千早雅之。
例によって、彼のメールには必要なことしか書かれていなかった。
「昨日、死亡した当社社員エドワード・ルクセンが作成していた報告書の補完」
添付されていたファイルはどうやらそのエドワード・ルクセンの報告書のようだ。
報酬は1プラチナム

◆結末
報酬点10を与えたところでシーンを終了する。


●カブトワリ:仮釈放

登場:<社会:警察>10
◆解説
カブトワリが千早冴子の手によって仮釈放処分にされるシーン
◆描写

なし崩しに留置所にぶち込まれたあなたの元に面会人がやってきた。
彼女は知らない顔ではなかった。ブラックハウンド機動捜査課課長、千早冴子。

◆セリフ

▼千早冴子
「まさか、あなたほどのカブトワリがあのような稚拙なミスをするとは思いませんでした」
「ちょっとした冗談です」
「本題に入りましょう。あなたの仮釈放の手続きが済ませてあります」
「あなたは“今のところは”証拠不十分ということで拘束を解除されます。しかし、このまま真犯人が見つからなければ、やはりあなたが真犯人、ということになります」
「わたしとしてもこの状況は納得しがたいのです」
「しかし、この事件が機動捜査課の管轄では無い以上、公的に捜査を行うことはできません」
「……まぁ、ちょっとした手は打ってありますが」

(渋るようだったら)
「そうですか。それでは、そこで法の鉄槌が下るのを待ちますか?」

(承諾した)
「一応、捜査協力、ということで口座にシルバーを振り込んでおきました。がんばってください」

◆結末
報酬点3を与えたところでシーンを終了する。


●トーキー:足跡

登場:<社会:N◎VA><社会:メディア>10
◆解説
マリオネット社長、三田茂に呼び出され、ルフェッド・ウィンターの記事を引き継ぐように言われるシーン。
◆描写

あなたはマリオネット社長の三田茂に呼び出された。

◆セリフ

▼三田茂
「おう、来たか」
「実はこの間までルフェッドがスクープをぶち込むんだと言っていたので番組で空けていた枠が埋まらなくてな」
「お前、ルフェッドが追いかけていたネタを継ぐつもりはあるか?」
「アイツが殺されてしまった件も事故として処理されちまっている……気が進まないようなら無理に、とは言わないがな」
(引き受けた)
「そうか。よし、番組は3日後だ。それまでにデカイ記事を頼んだぞ」
「あー、その、なんだ。くれぐれも無茶はせんようにな」

◆結末
三田茂はトーキーに取材費と言って、報酬点3点を渡したところで、シーンを終了する。