のんびりまったり

会社の帰りに本屋に寄ったら「ARIA」(天野こずえブレイドコミックス)の5巻が売っていたので確保してきました。

イエスタデイをうたって」(冬目景ヤングジャンプ・コミックス・BJ)ものんびりとしたお話ですが、それとはまた別の意味でほんとうにのんびりとしたお話です。
ARIA」では火星が、テラフォーミングの結果、地表の9割が水で覆われた状態になっております。で、そんな火星……物語上ではAQUAと呼ばれております……にあるヴェネツィアをモデルにした都市、ネオ・ヴェネツィアが物語の舞台です。
そんな未来の話なのですが、ネオ・ヴェネツィアではゴンドラが水路を行き来していたり、メールじゃなくて郵便配達人の手で届けられる手紙が当たり前のように使われていて。
主人公である水無灯里(みずなし・あかり)さんは観光客専門のゴンドラ漕ぎである水先案内人(ウンディーネ)になることを目指して、日々を過ごしているわけですが、そんな日常が描かれています。

良くできた物語に見られる葛藤や障害といった要素がほとんど見られないのですが、これもアリだな、と思ったりします。
5巻のエピソードでは灯里の友人である藍華と、地重管理人(ノーム)のアルの関係が少し進展した(ような気がする)「流星群の夜」がよさげでした。

地重管理人:火星の重力は地球の1/3Gしかないところを1Gに調整している人たちのこと。普段は地中に住んで仕事をしているので地上に出てくることがあまりない。流星群を見るためとはいえ、そんな地重管理人のアルを誘ってみよう、と言いだした藍華の心情を考えてみたりしても面白かったりします