シナリオ「茨の城の眠り姫」/導入ステージ
●シーン0:誓い
マスターシーン
◆解説
アクトトレーラーを読み上げた後に、このシーンを行うこと
◆描写
夜。森の中にひっそりと立つ城。
2階のバルコニーでたたずんでいる女性の姿がある。
そこに男性の声が聞こえる。
◆セリフ
▼会話
「ルティシア」
「PC①」
「眠れないのか?」
「不安なのです。こうして、お父様から逃れることが出来ても、いつかは離ればなれになってしまう、そんな嫌な予感が止まらないのです」
「わたしが白鳥人(ヴァルフェー)でなければ、どんなによかったことか」
「大丈夫」
「PC①?」
◆結末
手と手が触れあい、しっかりと握りあい、PC①が口を開いたところでシーン終了
●シーン1:“黒”
シーンプレイヤー:PC③
◆解説
“黒”の姿が判明するシーン。
◆描写1
ある街の禿鷲の巣。
あなたは既に100人近くの賞金稼ぎを殺してきた“黒”という賞金首を追っていた。
あなたは“黒”の姿を見た男がいると聞き、駆けつけたのだ。
ギルド員はあなたの姿を見ると、目撃者は既に息を引き取ったことを告げた。
◆セリフ
▼ギルド員
「一足遅かったな。今朝、しんじまったよ」
「だが、ヤツの顔は割れた」
◆結末
ギルド員ができたての“黒”の人相書きを手渡した。
◆描写2
男に手渡された人相書きを見て、あなたは愕然とした。
それはかつてあなたに生きるすべを教えてくれた男の顔だったのだ。
◆セリフ
▼ギルド員
「どうした? 顔色が悪いぞ」
「“黒”はどうやらシュパイヤーマルクに向かっているようだ」
◆結末
PC③がシュパイヤーマルクに向かったらシーン終了。
●シーン2:騎士のつとめ
シーンプレイヤー:PC②
◆解説
マルガレーテに呼ばれ、中庭に密かに呼び出されるシーン。
◆描写
あなたは王妃マルガレーテに呼び出され、夜の中庭に出ていた。
彼女は十代後半くらいの少女を伴っていた。
◆セリフ
▼マルガレーテ
「ご苦労」
「あなたに命を与えます」
「シュパイヤーマルクの森までこの少女の護衛を務めるのです」
「故あって彼女は口が利けませんが、あなたならば問題はないはずです」
◆描写2
マルガレーテの言葉にあわせ、少女があなたの手をゆっくりと握った。
その表情から如何なる感情も見られかったが、美しい顔立ちをしている。
あなたの頭に直接響く声には確かに感情が感じられた。
◆セリフ
▼エーレン
「エーレン、と申します」
「不躾なことだと承知していますが、どうか、よろしくお願いいたします」
▼マルガレーテ
「わかりましたか?」
「それでは、あなたの忠誠に期待します」
◆結末
シュパイヤーマルクへと旅立ったところでシーン終了
●シーン3:
マスターシーン
◆解説
パラモルの契約により、ルティシアが眠りの呪いを受けてしまうシーン。
◆描写
鬱蒼としげった森の奥にある屋敷。
その寝室にかつてのPC①の姿と魔女ドナウ、射手リヒターの姿があった。
ベッドで死んだように眠っているのは白鳥人の乙女、ルティシア。
◆セリフ
▼PC①たちの会話
「すまない、PC①」
「なぜ、謝る!?」
「彼ら2人は友情より愛情をとったのさ」
「だからぼくらと契約を交わした」
「アーグリフの娘が眠っているのはぼくらが呪いをかけたため」
◆描写
とつじょ響き渡る少女と少年の声。
後ろをふりむくと美しい双子の少年少女が立っていた。
気を取られた瞬間、あなたの背中には短剣が突き立てられていた。
◆セリフ
▼PC①たちの会話
「さぁ、リヒター。やるんだ」
「安心するといい。キミにも試練は与えられる」
「キミが生まれ変わり」
「それでもあの娘を恋しいと思うなら」
「この場所に来て、君たち2人が交わしたあの誓いを果たすこと」
「それがきみに与えられた試練」
「それでは、また100年後に会おう」
◆結末
PC①の意識が遠のいていき、シーン終了。
●シーン4:
シーンプレイヤー:PC①
◆解説
PC①が夢から覚めたシーン。
◆描写
シュパイヤーマルクにある小さな村長の家。
村長がスープを出しながら話しかけてくる
◆セリフ
▼宿の主人
「しかし、こんな何もないところに来るなんてお客さんも物好きなものだねぇ」
「最近はなんとかいう賞金首がいるらしいから気をつけたほうがいいですよ」
◆結末
目の前に広がる森に入ったところでシーン終了。